美しい樹
tommys_village
Tommy's Natural Village
作業に没頭していると、ふとどこからか鳥のさえずりが聞こえてきた。
それは意識して聞こうとしなければ、きっとただの「環境音」として流れていってしまうような、小さな音だった。
手を止めて、その音の正体を探してみる。
しばらく目を凝らしていると、一羽の鳥の姿を見つけた。
けれど、その鳥が本当にあの声の主なのかは分からない。
考えてみれば、普段の生活の中で「鳥」と認識している存在は、カラスやスズメ、ハトくらいのものだ。
それ以外の存在は、そこにいるのに、見えていないのと同じなのかもしれない。
こうして鳥を見ていると、名前を知らないものは、存在していないのと同じなのだろうかと、疑問に思った。
しかし、こうして意識を向けた瞬間に、それは確かに「私の世界の一部」として私に問いかけてくる。
ここには多くの鳥が訪れている。
それぞれが、それぞれの声で世界に存在を刻んでいる。
人もまた同じなのかもしれない。
ただそこにいるだけではなく、何かしらの「音」を発して、この世界に自分を刻もうとしている。
作業の手を再び動かしながら、そんなことを考えた。
これからは、耳に届く小さな音にも意識を向けて、自分の知らないものを受け入れ、楽しんで生きていきたい。
気づくかどうかで、世界の広さは変わるのだから。
